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「包丁のようなもの」、「拳銃のようなもの」という表現が多い日本のマスメディア。
欧米のニュースではこんな妙な表現はない。
海外では「rape」が日本では「暴行」、「みだらな行為」となる。
原発事故の速報だって同じだ。
「見た訳じゃないのでわからない」、「計器がこわれていてわからない」と逃げる。
欧米の報道では、可能性の段階(レベル)でもどんどん報道してくる。
これも日本のおくゆかしい文化なのであろうか。
(スラチャイ記)
(Mainichi Japan) May 8, 2011
Kaleidoscope of the Heart: The importance of telling our citizens the truth
香山リカのココロの万華鏡:真実を伝える大切さ /東京
There's something that struck me during a television debate program I was recently on.
あるテレビの討論番組に出たときのことだ。
A researcher who had spent many years studying nuclear power said, "The fact is no one really knows what's going on inside the Fukushima nuclear reactors."
原子力を長年、研究してきた学者が、「福島の原子炉で何が起きているか、実は誰もわかっていない」と発言した。
According to that researcher, it's possible that a great deal of the nuclear fuel in the reactors has already melted, which would mean the situation is even more serious than what the Tokyo Electric Power Co. has reported.
その学者の見解では、炉心の核燃料の多くがすでに溶融している可能性もあるのだという。東京電力の発表よりさらに事態は深刻、ということだ。
In response to that researcher's comments, a politician speaking for the government said, "I wish you wouldn't say things on television that could make people needlessly worried." Indeed, I think we should avoid doing things that make people watching television feel needlessly anxious or afraid.
それに対して、政府の側の政治家が「テレビを通して、いたずらに国民を不安に陥れるような発言をしないでほしい」と言った。たしかに、テレビを見ている人たちが必要のない恐怖、不安を抱くようなことは避けなくてはならない。
However, was the worry the politician referred to really "needless"? Among our worries, are there not sometimes ones that we cannot avoid confronting, or that are even necessary to our lives?
しかし、本当にそれは必要ない「不安」なのだろうか。「不安」の中には、避けて通れないもの、積極的に必要なものもあるのではないか。
In the medical world, for a long time the basic principle was to place priority on making the patient feel at ease, even if it required the occasional lie.
医療の世界でも長いあいだ「とにかく患者さんが不安にならないように」というのが原則で、ときにはウソをつくこともあった。
Even now, you can sometimes see scenes on television dramas where a doctor might lie to a patient with terminal cancer, telling them that their tumor is benign and they'll get better soon.
治る見込みがないがんなのに、医者が「良性です、すぐ治ります」と患者さんに告げるシーンが、いまでもときどきドラマには出てくる。
Softening the blow by bending the truth used to be thought of as kindness in the medical profession.
それが“親ごころ”だと思われていたのだ。
However, these days doctors hardly ever glaze over the truth.
ところが、いまは実際には、そんな“ごまかし”はほとんど行われていない。
It is standard practice to tell the patient the unvarnished truth as much as possible, including telling them the worst-case scenarios.
最悪の想定も含めて、事実をなるべくそのまま患者さんに伝えるのが基本だ。
The line of thought in the medical world has become that even if the truth makes the patient uneasy or upset, if that truth is not faced head on, patient and doctor will not be able to proceed to the next step of treatment.
たとえそれで不安、悲しみに陥ることがあっても、しっかりと事実に直面しなければ、医者も患者さんも次のステップに歩み出せない。医療の世界ではそう考えるようになったのだ。
That line of thought seems to me to apply to the issues surrounding the earthquake and nuclear disaster as well. 震災や原発事故をめぐる問題も、基本的には同じなのではないだろうか。
Saying things like, "It's OK," or "Things will be under control soon," or "It won't be long before a recovery" may offer temporary consolation, but they do not ring true and will not truly make people feel at ease.
「大丈夫です」「すぐに事態は収束します」「間もなく復興します」といったある意味で気休めにしか聞こえない言葉は、本当の意味では人々を安心させることはできない。
Instead, even if it makes people temporarily anxious, telling us honestly what is known and what is not, what can be done soon and what will take time, would, I think, better allow us to make our own decisions about how to act next.
たとえひとときは不安に陥ったとしても、わからないことはわからない、すぐにできないことはできない、と伝えてもらったほうが、私たちも次の手を講じることができるのではないか。
Some politicians worry that telling people the complete truth will send them from uneasiness into panic, but people living in today's world are not so simple-minded.
「本当のことを伝えたら、国民が不安からパニックに」と心配する政治家もいるが、現代を生きる人間はそれほど弱くはない。
When I tell people in my consultation room, "You have schizophrenia, and it will require long-term care," almost everyone is initially taken aback, but it's not long before they accept what they have been told and get ready to take their first steps to recovery in their own way.
診察室で「統合失調症ですね。長期にわたって治療が必要です」と真実を告知するとほとんどの人はショックを受けるが、間もなく事実をきちんと受け止め、自分なりに歩んでいくことができる。
A policy of concealing the truth to keep others from worrying is behind the times.
本当のことを教えないほうがいい、という“親ごころ”は時代遅れ。
I believe that is true both for medicine and for politics.
これは、医療でも政治でも同じだと思う。
(By Rika Kayama, psychiatrist)
毎日新聞 2011年5月3日 地方版
■近況
2009年の9月15日に脳梗塞を発症、右手が少し不自由になりました。
MRAで脳梗塞の部位を特定でき、素早い処置をとれたので大事に至りませんでした。
快復にむけてリハビリ中です。
(2011/01/01更新)
■自己紹介・リンク
[ はじめに ]
タイのスラチャイです。
英語学習に王道はありません。
毎日毎日の地道な努力の積み重ねが必要です。
スラチャイはNHKのラジオ英語会話で現在の英語力を身につけました。
一日僅か15分の学習でも数年間継続すれば相当な学習効果が期待できます。
[ 名前 ]
松井 清 (スラチャイ)
[ 略歴 ]
・福岡県出身
・国立高知大学卒業
・準大手建設会社に就職
・50歳で会社を早期退職
・99/10 タイ全土を旅行
・00/10 タイに移住
・03/07 カイちゃん誕生
・07/06 シーファーちゃん誕生
・現在タイ国コンケン在住
[ 座右の銘 ]
Slow and steady wins the race.
遅くとも着実な者が勝利する
(NHK基礎英語芹沢栄先生)
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・音読して耳から英語を吸収
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